ソニーは5月27日に『BRAVIA 9 II』および『BRAVIA 7 II』を正式に発売した。これらはいずれも『True RGB』バックライト技術を採用した初のLCDテレビであり、この技術では赤・緑・青のLEDがそれぞれ個別に駆動され、量子ドット変換層付きの青色LEDに頼る仕組みとは異なる。FlatpanelsHDが65インチ版『BRAVIA 9 II』のLED配置を調査したところ、製品版では縦方向に60個、横方向に102個のRGB LEDが使用されており、各調光ゾーンあたり4つのRGB LEDが配置されているため、合計で1,530の調光ゾーンおよび4,590のRGBゾーンが実現している。これは2024年モデルの『BRAVIA 9』の1,512ゾーンからわずかに増加した数値だ。ソニーによれば、このシステムのピーク輝度は最大4,000ニト、DCI-P3カバー率は99%以上、ITU-R BT.2020カバー率は90%以上を達成しており、96ビット階調処理も可能となっている。『BRAVIA 9 II』は65・75・85・115インチサイズで展開され、同じくTrue RGB技術を搭載した『BRAVIA 7 II』には50・55・65・75・85・98/100インチモデルも用意される。なお、この技術は2004年に発売された『Qualia 005』から続く20年以上にわたるRGBバックライト開発の集大成であるという。
ソニーは2025年3月に非公開のプレスイベントでこのRGB LEDシステムを初めて公開し、その際にFlatpanelsHDも初期プロトタイプを目撃している。それ以降、ハイセンス・サムスン・フィリップス・LG・TCLもそれぞれ独自ブランド名でRGB LED搭載LCDテレビを発売しており、ソニーはすでに先行企業が存在する市場へ参入することになる。FlatpanelsHDによると、ソニーの新製品にもフィリップスの製品にも採用されているMediaTek社のPentonicチップが、RGB LED駆動用の基盤技術の大部分を担っている可能性が高く、これがソニー製品のゾーン数がフィリップス初のRGB LEDテレビと近い数値となる理由と考えられる。来年にはソニーのテレビ・オーディオ事業がTCLに買収される予定であり、『True RGB』技術を備えた『BRAVIA 9 II』はソニーが独自に設計する最後のフラッグシップテレビのひとつとなる点でも、今回の発売は特別な意味を持つ。