5月27日、第6回BEYOND国際科学技術イノベーション博覧会がマカオで開幕した。この中で、NVIDIAのロボット事業などを担当するディープ・タラ副社長が基調講演を行い、「物理AI(Physical AI)」分野における協力を呼びかけた。タラ氏は、物理AIが「今後10〜20年間で最も注目すべき分野になるだろう」と強調。物理世界で物体を操作するには「極めて高い精度が求められる」と指摘し、大規模な社会的応用を実現するためには、ロボットが仮想環境下で多種多様なシミュレーション訓練を受ける必要があるとした。NVIDIAは世界各地の企業と連携しており、特に中国の有力ロボットメーカーである智元創新科技や宇樹科技との協力関係を明らかにした。今回の博覧会には約800社が出展しており、タラ氏によればそのうち50社以上がNVIDIAのパートナー企業だという。会期は5月30日までである。
NVIDIAのこうした動きは、物理AIを通じて中国市場での存在感を高めたいという同社の強い意図を示している。米国政府は先頃、NVIDIAによる中国向け高性能チップH200の輸出を条件付きで承認したが、中国側が計算能力の自立化を推進している影響もあり、実際の輸出はまだ実現していない。大規模言語モデル向けチップ供給が滞る中、NVIDIAはロボット開発プラットフォームを通じて仮想空間シミュレーションやデータ訓練支援を提供することで、物理AIサプライチェーン上で中国産業界との技術的つながりを維持しようとしている。