英国競争・市場庁(CMA)は6月3日、Google検索サービスに対し新たな行動要求を正式に発令し、出版社(ニュース組織を含む)に対し、自社コンテンツをAI Overviewsやその他の生成AI検索機能から除外するための実効的なツールを提供することを義務付けた。CMAはこれを世界初と位置付けている。今回の裁定の重要な突破口は、出版社がAI機能からのみ個別にオプトアウトでき、その結果として従来の検索結果でランキングが下がるなどのペナルティを受けない点にある。これにより、出版社が「GoogleのAIにコンテンツを提供する」か「検索結果から消える」かの二者択一を強いられる状況に終止符が打たれた。Googleはまた、生成AIにおいて検索クロールコンテンツをどのように利用しているかを公開し、出版社に対しては自社コンテンツがAI機能でどのようにユーザーとインタラクションしたかのデータを提供し、AI生成サマリーには出典へのリンクを明確に表示しなければならない。CMAの最高経営責任者サラ・カーデル氏は、これらの措置により企業と消費者に「公正な扱い、より高い透明性、実質的な選択肢」がもたらされると述べている。
今回の行動要求の法的根拠は、CMAが2025年10月に『デジタル市場、競争及び消費者法』に基づきGoogleを「戦略的市場地位」(SMS)を持つ事業者と認定したことにあり、これによりCMAはGoogleに対して拘束力のある条件を課す権限を得た。Googleはこれに対し、サイト運営者が生成AI検索機能における自社のリンクとコンテンツの表示方法を管理できる「新しいコントロール」を導入し始めたと述べ、出版社からのフィードバックに積極的に耳を傾けると約束した。Googleは9ヶ月以内に全ての措置を実施しなければならず、CMAは主要なコントロールについてはこの期限より大幅に早く導入される見通しだと述べている。また、Googleは初年度は半年ごとにデータを伴うコンプライアンス報告書を提出することが義務付けられる。今回の裁定は、Googleが今年5月に発表した一連のAI検索の深層統合アップデートも対象としている。同日、CMAはGoogle検索におけるAI開発の動向を継続的に監視し、必要に応じてさらなる措置を講じると表明した。