米国国防総省は5月27日、約97億ドル規模の5年間にわたる包括的調達契約(CETA)を、デル・テクノロジーズ傘下の政府向け事業部門であるDell Federal Systemsに付与したと発表した。この契約では、国防総省、情報機関、米沿岸警備隊向けにMicrosoft 365やWindows、Officeなどのソフトウェアライセンス、高度なクラウドサブスクリプション、ローカル展開用ライセンスなどが提供される。これにより、これまで分散していたマイクロソフト製品の調達を単一の契約枠組みに統合する狙いがある。ペンタゴンのキルステン・デイヴィス情報長官は記者会見で、この契約により国防総省は年間4億2200万ドルの節約が見込まれ、AIやデータ分析への戦略的転換を強力に後押しし、「全領域統合指揮・制御システム」(CJADC2)のためのデジタル基盤も構築できると述べた。Dell Federal Systemsは競争入札を経て他社を抑えてこの契約を獲得した。発表後、デルの株価は時間外取引で4.7%以上上昇し、今年に入ってからの上昇率は約142%に達している。
この契約により、デルは国防分野におけるデジタル化調達の統合という流れから直接的な恩恵を受けることになり、米国の軍・政界におけるマイクロソフト製品の支配的地位もさらに強化される。CNBCによると、この契約付与の背景には、デルの創業者兼CEOであるマイケル・デル氏が「トランプ口座」(子供向け投資口座制度)へ625億ドルを拠出すると公言したことや、トランプ大統領自身がホワイトハウスでの行事でデル製品を宣伝し、マイケル・デル氏を大統領科学技術顧問委員会への参加を要請したことがある。こうした事情から、今回の契約付与は政商関係の観点でも注目を集めている。