MozillaのSpiderMonkeyチームは5月20日に発表し、Firefox 148以降でasm.js向けの最適化処理をデフォルトで無効化し、今後のバージョンで関連コードを完全に削除する予定であることを明らかにしました。asm.js自体がJavaScriptの厳格なサブセットであるため、現在asm.jsを利用しているウェブサイトでは互換性の問題は生じませんが、以前のような高速実行環境は得られなくなります。asm.jsは2013年にMozillaによって開発され、型注釈機能によりJavaScriptエンジンがネイティブレベルの速度でコードを実行できるようにした技術で、当時はUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンによるブラウザ上での高性能アプリケーション実装を支えていました。
今回の対応の直接的な理由は、WebAssembly(Wasm)がasm.jsの役割を完全に引き継いだことにあります。WebAssemblyは実行速度が速く、生成されるファイルサイズも小さく、複数のエンジン間での互換性も高いため、asm.js用の最適化コードパスは現在では維持・管理やセキュリティ面での負担しかもたらしていません。SpiderMonkeyチームは発表文の中で、WebAssemblyの前身としてのasm.jsの歴史的貢献を評価しつつ、既存のasm.jsプロジェクトをWebAssemblyへ再コンパイルすることでより良いパフォーマンスを得られると開発者に推奨しています。