TechCrunchの5月28日独占報道によると、セキュリティ調査機関UpGuardは、米国の刑務所用通信サービスプロバイダーPay TelがMicrosoft Azure上でホストするストレージサーバーにパスワード保護を一切設定しておらず、誰でも公開ネットワーク経由でデータにアクセスできる状態だったことを発見した。漏洩したデータには、少なくとも30万件の発信者運転免許証スキャン画像やその他政府発行の身分証明書、ユーザー登録時にアップロードされた個人写真、さらに受刑者のショートメールのやり取り、手書きの手紙、財務記録が含まれていた。またUpGuardは、一部のユーザーがアップロードした写真に正確なGPS座標が付随しており、その精度は当事者の自宅住所を特定できるほどだったと指摘している。Pay Telは米国の複数の州の刑務所にタブレットや通信機器を提供しており、ユーザーはサービス利用時に身分証明書写真の提出を義務付けられている。UpGuardは5月7日にPay Telに通知し、数回のフォローアップを経てデータがようやく非公開に設定されたが、同社社長のヴィンセント・タウンゼンド(Vincent Townsend)氏はコメント依頼に応じておらず、今回のインシデントを公に認めてもいない。
今回の漏洩はPay Telにとって約2年以内で2度目となる既知のセキュリティインシデントであり、2025年6月にランサムウェア攻撃を受けた事件に続くものだ。データが発見される前に誰かがアクセスまたはダウンロードしていたかどうかは不明であり、Pay Telは米国の各州のデータ漏洩通知法に従って通知義務を果たしたかどうかについても一切表明していない。UpGuardは、このようなパスワードなしのクラウドストレージバケットによる大規模なデータ露出は繰り返し発生するセキュリティ上の難題であり、刑務所通信システムの被害者はもともと脆弱な立場にある人々であるため、こうしたインシデントの被害の深刻度がさらに増していると指摘している。